品質と職人の健康を守る
2025.09.02 | 事例紹介

繊維産業を支える湿度
冬季の乾燥による影響
残暑が厳しくも少しずつ季節は移りつつあります。品質への冬の乾燥対策は今の季節から。
気温も湿度も下がる冬。縫製工場では、乾燥していると静電気が発生し、糸切れや目落ちなど、ミシン針が上手く作動せず布地を傷つけてしまうことがあります。生地においても型崩れやシワなど、その伸度や強度の状態に変化がでます。また、機械では難しい、職人でしか縫製できない工程がある場合、冬場の乾燥している工場は職人の健康にも大きく影響があります。ピーエスの加湿器は、日本の縫製技術を支える現場でも数多く活躍しています。
【事例】株式会社シェリール
技術と品質にこだわり、着心地のよいランジェリーやファンデーションインナーを製造する岩手県に工場を構える株式会社シェリール。工場で働く職人の方には女性が多いということで、潤いながらも暖かさが感じられる蒸気式加湿器を採用いただきました。
「工場の環境は良好で、ミシン糸がよれることもありません。湿度が下がると生地が乾燥し、針穴などの不良が起こりやすくなるので、加湿器がないと困ります。これまでの加湿器は冬に運転すると寒くなりました。今の加湿器は暖かく潤っています。」
【事例】大峡製鞄株式会社 宇都宮工場
出会いは展示会。1935年の創業以来より日本製を貫き、手作りならではの美しい革製品を作り続けている老舗の鞄メーカーです。ランドセルを中心に扱う宇都宮工場で加湿器を検討。乾燥している冬季には、革を折り曲げる工程で革が割れてしまう、ミシン糸が帯電しミシン内で糸がうまくさばかれず作業が止まるなどの課題を抱えていました。
ピーエスの加湿器導入前は、家庭用加湿器を入れた箱に革を入れておくなどの工夫をされていました。導入に当たり他の加湿メーカーなども検討しましたが、担当との色々なやりとりの中で、ピーエスの加湿器について深く理解をいただき採用を決意。
「冬場の革は、冷たく固くなるため温める必要がありましたが、加湿器導入後は以前より革が柔らかくあまり冷たくないと感じることがあります。ミシン作業での糸の動きの不具合は見られなくなりました。」
手間なしで、暖かく潤う
蒸気式加湿器は、水を加熱して蒸発させるため無菌・クリーンな加湿。制御性や衛生面を求められる生産工場で広く使用されています。
また自動給水のため手動での給水は不要。長年使用されている工場では、冬場は底冷えを感じる場合もあります。蒸気式加湿器は周囲の温度を下げずに加湿できるので暖かく、人が多く作業をする工場では品質維持だけでなく、人が過ごしやすい環境にもつながっています。