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ハビタット-動物にとっての「快適」を考える-

2025.04.22 | information

ハビタット-動物にとっての「快適」を考える-

「Habitat」という言葉を知っていますか?住み処、生息場所、生息環境といった意味の言葉です。ヒトにとって快適な環境があるのと同じ様に、動物にも快適な生息環境、ハビタットが存在します。

爬虫類のハビタット

1996年より札幌市円山動物園にて飼育技術者をされていた本田直也氏(現・本田ハビタットデザイン㈱代表)は、2011年同動物園に「は虫類・両生館」の理想的なハビタットをつくられました。
どんな動物にも住みやすい環境というものがあり、特に爬虫類は適応能力が低い分、環境の質をしっかりとコントロールする必要があります。温度や湿度、光など一年を通しての変化を感じられるような環境を動物園の中につくることで、動物たちがイキイキと暮らせる場所になるのです。
爬虫類の生息地のリズムを園内でどのようにつくっていくのか。「は虫類・両生館」では放射暖房PS HRヒータが採用されました。

「放射の熱はほんとに緩いんですよ。部屋全体は、20℃位でも十分なくらいで、緩~く回しておけばいい。あとは照明とかの熱源で調整していく。放射は環境のメインの一つではあるけど、ほかにいろんなものと複合することで環境をつくっていく。熱、光、水、三つとも大事。」
「一定じゃなきゃいけない、と皆が先入観的に思っているけど、ならないし、一定である必要性は全くなくて、ムラがあって良いし、選択肢がある方が良いんです。」
以前ピーエスの主催するトークセッションなどで話していただいた時のコメントです。
また一定=単調なことは動物にとっては逆に体内リズムを壊すことにつながります。外気を取り入れる、環境内の設えに変化をつけるなど、その動物に合った適切なストレス、外的な刺激を取り入れながらの環境づくりが重要です。

放射で安定した環境を整える

グラフ

放射暖房PS HRヒータが作りだす環境は、ラジエータ内部に温水が循環し建物自体の表面温度を整えます。壁床天井の温度を安定させておけば、外の自然のリズムに合わせて室内の空気温度も快適な範囲内でゆるやかに変化します。
“一定”の温度を守るのではなく”安定”した環境をつくる。これが「は虫類・両生館」のハビタットをつくる際にも効果的に働きました。

キリンのためのハビタット

こういった自然の環境を必要としている動物は爬虫類だけではありません。
例えばキリン。背の高いキリンは空気だけで環境をつくろうとすると、顔の近くは温風に吹かれて暑く乾燥し、同時に足元は冷えてしまう。
放射暖房だと風がなく天井面や壁面をちゃんとしっかり暖めるので、キリンにとっても負担のない環境を再現できます。

キリンの写真 キリンのイラスト

▲埼玉こども動物自然公園 キリンテラス

※一部参照:クリマデザイン 新しい環境文化のかたち(鹿島出版会)

それぞれの快適を創り上げる

動物それぞれの快適さやリズムを考えることは、私たちヒトの住環境についても理解を深めることにもつながります。ピーエスは対話を通して、それぞれの状況に合った細やかな快適環境をともに創り上げる温度と湿度の専門企業です。ぜひ一緒に「快適」を探究してみませんか。
前述の本田氏は、以前にピーエスのトークセッション「PS Club」でご講演いただきました。
円山動物園の「は虫類・両生館」の環境を協働で取り組まれた、札幌市立大学大学院デザイン研究科の齊藤雅也教授とともに「人間以外の知覚を通して環境をデザインするスタンス」をテーマに対談いただきました。下記より講演内容のダイジェストがダウンロードできますので、是非ご覧ください。